大判例

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大阪高等裁判所 昭和55年(ネ)1788号・昭55年(ネ)1762号 判決

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

【判旨】

(一) 第一審原告が昭和五一年八月から昭和五二年五月までクラブ「幸子」にホステスとして稼働し、第一審被告が右クラブの経営者兼ママであつたこと、及び第一審原告が昭和五二年五月頃第一審被告に対し六〇万円を交付したことは、当事者間に争いがない。

(二) <中略>

(三) <証拠>を総合すると、第一審原告が昭和五二年五月頃第一審被告に交付した六〇万円は、第一審原告がクラブ「幸子」でホステスとして稼働中に第一審原告の指名客が右クラブで遊興飲食した代金の未収分の一部につき、第一審被告の要求により第一審原告が第一審被告に支払つた立替金であること、及びもともと右クラブの客の遊興飲食代金は、最終的にはクラブが取立てる建前であり、第一審原告と第一審被告との間においても、その旨の約定がなされていて、第一審原告が第一審被告に対し右未収金の支払をすべき理由はなかつたことを認め得る。

判旨そうすると、右六〇万円の立替払は、第一審被告が第一審原告に対する優越的地位を利用し、自らの一方的利益のために第一審原告に対し不当に苛酷な負担を強いたものというべきであるから、それは公序良俗に反するものとして無効と解するのが相当である。よつて、右六〇万円は、第一審被告が法律上の原因なくして第一審原告の出捐により利益を受け、第一審原告に損失を及ぼした金員であり、その利益は全額現存するといい得るから、第一審被告は第一審原告に対し不当利得金として六〇万円の返還義務があるというべく、この点に関する第一審原告の請求は理由がある。

(小西勝 坂上弘 大須賀欣一)

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